予防の観点で大事にしているのは「関係づくり」でしょうか。ちょっと言いにくいかなという症状でも、買い物で訪れたついでに聞いてみようかなという風に思ってもらえればいいですし、よく来られる常連さんの場合何か変わったことがあれば気付けることもあります。中には薬でなく食事で解決できることもありますし、食事のアドバイス1つで血糖値が下がって薬が1つ減らせることも。
また日頃から健康維持や予防を目的とした測定会はしてますが、それとは別に年1回エバグリーンと和歌山県立医科大学の共催で「わかやま健康フェア」も開いています。骨密度や体組織、血管年齢などの測定やメーカーさんのブースが並び、一気にいろんな検査が受けられると毎年好評。ここで1年目に「こども薬剤師体験」というブースを作って、水を測ったりラムネを詰めてもらったり、薬剤師の雰囲気を体験してもらいました。薬剤師の仕事は普段なかなか見えない分、ダブルチェックの話を聞いて「そこまでしてくれてるんや」という声も。小学生だと看護師やお医者さんは知っていても薬剤師という職業を知らない子も多い。体験することで身近に感じて薬を嫌がらず飲んでもらえるかもしれません。この仕事を知ってもらい、身近に感じてもらうことも将来への投資なんだと思います。
OTCを使う人は昔より増えています。症状から相談をいただくこともあれば、病院がお休みで困った末に「これに近いお薬ありますか」と来られる方もいます。そんな風に今は薬剤師の仕事の幅をもっと広げることが求められています。浅く広くではなく、より専門的かつ多岐に。薬を出して終わりではなく、継続して様子を見ながら、電話でのフォローアップも始まっています。目指すのは相談しやすい薬局。最終的にはさまざまな相談にきちんと乗れるよう、より薬の勉強をして、知識や雑学を増やしたいです。